体重を早く減らす事ができるという理由で人気の「炭水化物制限」。
今やダイエッターの常識となりつつありますが、ただ闇雲に炭水化物を減らせばいい!というわけではありません。
体脂肪を減らすために必要なのは適切な糖質コントロールです。
そこで今回は大切な糖質と減らすべき糖質を見極める糖質コントロールについてまとめていきたいと思います。

炭水化物は「食物繊維」「糖質」「糖類」からできている
炭水化物は簡単にいうとマトリョーシカのような入れ子構造になっています。
一番外側に「食物繊維」、その中に「糖質」、さらにその内側に「糖類」が潜んでいます。
詳しくみてみましょう。
炭水化物「食物繊維」の中身
炭水化物の「食物繊維」は糖質と合体した物で、糖類のような強烈な甘さはありません。
食品で言うと「ご飯」「パン」「麺」などの主食や芋類などがこれにあたります。
食物繊維は「セルロース」と「難消化性デキストリン」に分かれます。
穀物・野菜・果物など植物の細胞壁の主成分で、人の消化酵素では分解することが出来ないので腸まで達し、整腸作用を促す「第六の栄養素」と呼ばれています。
食物繊維不足を補うために人工的に作られた成分。トウモロコシのでんぷんから難消化性成分だけを抽出した物で、「トクホ」をはじめとするさまざまな食品に利用されている。
炭水化物「糖質」の中身
炭水化物の「糖質」は多くのブドウ糖が鎖のように連なった高分子化合物です。
単糖類や二糖類に比べると分解に手間が掛かるので、体に吸収されるスピードは若干遅くなります。
糖質は「多糖類」と「糖アルコール」に分かれそれぞれの違いは以下の通りです。
「でんぷん」と「オリゴ糖」に分かれ、「でんぷん」は米や小麦、ジャガイモやトウモロコシなどの穀物や芋類に含まれます。
「オリゴ糖」はブドウ糖が3つ以上連なった成分で、でんぷんよりブドウ糖の鎖が短いので「少糖類」とも言います。単体では整腸作用があるので積極的に取り入れてもよい糖質です。
「キシリトール」のことで、甘みはあるがカロリーがない糖質です。血糖値が上がらないため安心して摂れる糖質。ただし消化されないためお腹を壊す可能性があるので注意が必要。
炭水化物「糖類」の中身
炭水化物の「糖類」は、一口舐めたら「甘い」と感じる糖質で、「単糖類」と「二糖類」に分かれます。
炭水化物の内、「糖類」が血糖値の急上昇を招くので摂り過ぎに要注意です。
「グルコース」と「フルクトース」に分かれ、「グルコース」は生き物の血液中に存在し、直接エネルギーとして消費されます。
「フルクトース」は果物の中に多く含まれている果糖のことで、ブドウ糖とは代謝経路が異なるので口にしても血糖値は上がらず、インスリンが発動しないので中性脂肪になりやすいという特徴があります。
「スクロース」と「乳糖」「麦芽糖」のことで、「スクロース」はいわゆる砂糖の主成分です。「乳糖」はブドウ糖にガラクトースという単純糖質がくっついたもので、乳製品に多く含まれおり血糖値は上がりにくいが日本人は乳糖を分解する能力が低いので摂り過ぎに注意する必要があります。「麦芽糖」はブドウ糖1分子ずつが結合した二糖類で、水飴の主原料となっています。砂糖よりも血糖値が上がりやすいので最大限の注意が必要です。
炭水化物の中でも一番減らすべきなのは「糖類」!
炭水化物を積極的に減らせば痩せる事ができる、というのは合っているのですが、正しくは「糖類」を減らせば痩せる事ができるのです。
「糖質」の中に「糖類」が含まれているため、糖質が多く含まれているかの判断は食品の表示ラベルで判断しましょう。
体重×5~7g
炭水化物をゼロにしては逆効果!「食物繊維」を積極的に摂ろう
炭水化物を紐解いてみると三種類に分かれることが分かりました。
「炭水化物=悪」ではなく、炭水化物の中身を正しく把握して糖質をコントローするす事が大切です。
炭水化物を恐れるあまり、極端な食事制限をしてしまうと食事と食事の間が開きすぎて血糖値が爆上がりする「血糖値スパイク」を招きます。
糖尿病ではなく普段は正常な血糖値でも、食後の短時間だけ血糖値が急上昇するという現象。
食事を我慢して血糖値スパイクを招いていては本末転倒です。
炭水化物のうち「食物繊維」は摂ってよい炭水化物です。
・穀類
・豆類
・芋類
・野菜
・きのこ類
・海藻類
自覚症状がほぼない恐怖の「血糖値スパイク」の自己診断方法
血糖値スパイクは自覚症状がほぼないと言われています。
と不安に思う方は以下の項目をチェックしてみてください。
・BMI(体重(kg)÷(身長(m)×身長(m)))が25以上ある
・朝食を摂らない
・コンビニのご飯を週3回以上利用している
・3食の内、1回以上10分以内で食事が終わる
・食後はすぐに椅子に座る事が多い
・運動は週に3日未満
・今までダイエットに3回以上挑戦したことがある
・6時間以下の睡眠が週に3回以上ある
・高血圧がある
当てはまる個数が多いほど、血糖値スパイクの危険度が高くなるので注意が必要です。
まとめ
今回は正しい炭水化物の知識ついて紹介してきました。
炭水化物=悪ではなく、本当に気をつけるべきなのは「糖質コントロール」です。
炭水化物は体を動かすためのエネルギーの源なので、極端に炭水化物を減らす事は体脂肪を減らす上では逆効果です。
炭水化物の中にある「糖質」をしっかり見極めてコントロールしていくことが体脂肪を減らすカギとなります。